年金の相談先は、次のところにするのが無難です。
1.年金事務所または街角の年金相談センター
2.年金の専門家(社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー、年金アドバイザー等)
職場や近所の年金受給者、自称年金に詳しい人、年金に詳しいと思われている人に
相談するときは、参考程度に聞いていた方がいいでしょう。
事例
相談者Aさん:64歳、配偶者あり(5歳年下で30年間専業主婦)
相談先Bさん:66歳、独身、職場の同僚、年金繰り下げ中
Aさん「私、もうすぐ年金受給ですけど繰り下げようか迷っています」
Bさん「絶対、繰り下げた方が得だよ。
5年間で 0.7% × 12か月 × 5年 = 42% 増えるんだよ」
Aさん「なるほど。そうします」
ここで問題はAさんに配偶者加給年金の知識がないことです。
配偶者加給年金は、本来、厚生年金とセットで支払われるものです。
厚生年金を繰下げれば加給年金も同時に待機期間に入ります。
仮に、夫が70歳まで繰下げるとして、70歳から年金受給が始まる時点で
妻が65歳になっていれば加給年金の権利はなくなってしまいます。
すなわち、Aさんは、
配偶者加給年金額 約39万円 × 5年 = 約195万円 をもらえなくなります。
年金の受給開始は原則65歳。1カ月遅らせるごとに0.7%増えます。
今は66歳0カ月から70歳0カ月まで1カ月単位で繰り下げが可能で、
70歳受給開始なら42%増です。令和4年4月から選択期間が75歳0カ月
まで広がり、75歳なら84%増となります。
計算上はおおむね12年で元がとれるとされていますが、それは配偶者加給年金を
考えない場合の話です。
年金受給要件は人によって違います。
年金の相談先は慎重に選びましょう。